もぐみん(@agrimichi)です。
アブラナ科野菜の食害をする黒い芋虫「カブラハバチ」。
家庭菜園で野菜づくりをされる方へ、カブラハバチの被害から駆除、対策方法・予防までお伝えします。
カブラハバチとは〜生態と被害の特徴〜
生態
カブラハバチの幼虫は通称「ナノクロムシ」とも呼ばれ、黒い体色が特徴で大きくなると体長15㎜ほどになります。
小さな黒い芋虫を見つけたら十中八九カブラハバチと思って良いでしょう。
少しでも触ったり刺激があると、すぐに丸まってコロンと落下します。
成虫はその名の通りハチの様相ですが、お尻に毒針ではなく産卵管を持ち、葉肉の中に卵を1粒づつ産み付けます。
暖かい時期なら3~4日で孵化し、葉を食べながら成長します。
14日ほどで大きくなり、最後の脱皮をした後土中に潜り蛹(さなぎ)となり一週間程度で変態し成虫になり飛び立ちます。
ワンシーズン、4~5回のサイクルで発生し、冬寒くなると幼虫or蛹(さなぎ)の状態で冬越しします。
被害
幼虫がやわらかい葉を食害します。
成虫はよく葉に待機したり、ふわふわ飛んでいることがありますが、食害はせず産卵する場所を探しています。
密植をし風通しが悪い状態だと被害が多くなりやすいです。
食べられたあとはぽつぽつと小さな穴があきます。
青虫やヨトウムシと比べると1個体の食害量は少なく、スカスカのレース状にされることはあまりありません。
ただし1株に大量発生することもあり、そうなると葉脈を残し食べられつくしてしまうことも。
大根、カブの根も食害を受けることがあります。
発生しやすい時期
4~11月
カブラハバチが好んでつく野菜
アブラナ科野菜全般(キャベツ、白菜、大根、カブ、小松菜、ナバナなど)
駆除・対策方法
防虫ネット&捕殺が最適
家庭菜園で最も有効な対策は、予防のために防虫ネットを張っておくことです。
種まき、植えつけ直後からトンネルにして被せておくことで、カブラハバチが野菜につき卵を産み付けることを阻止出来ます。
それでも被害がみられた場合は、黒くて見つけやすいので直接手で捕殺するのが手っ取り早いでしょう。
カブラハバチに効く農薬
大規模に予防・駆除したい場合は化学系農薬のマラソン乳剤が家庭菜園に使いやすく、殺虫効果が高いです。
ちなみにアオムシ、ヨトウムシなどチョウ目に有効とされるSTゼンターリ顆粒水和剤はカブラハバチ(ナノクロムシ)には効きません。
特定農薬のお酢も、展着剤を使用した上で忌避効果がわずかにある程度に考えておきましょう。
注意ポイント
農薬は化学系・有機JAS規格(オーガニック栽培)使用可能のもの問わず、必ず説明書を確認してください。適用作物・害虫、使用方法・回数・時期ほか、安全使用上の注意が定められています。
木酢液は気休め程度
すでに幼虫がついている場合、木酢液を薄めて散布しても駆除効果はありません。
かつ、予防的にも気休め程度の忌避効果しかないと思ってください。