もぐみん(@agrimichi)です。
家庭菜園初心者向けに、落花生の栽培・育て方の基本をまとめました。
一般的な知識だけでなく、自身の経験から得たノウハウを盛り込んでいるため、初めての方も安心して落花生を育てることが出来る内容になっています。
落花生とは
落花生といえば、おつまみのピーナッツが最もなじみ深いでしょう。
一般的にはピーナッツが殻に包まれた状態を落花生と呼んでいます。
食味は言わずもがな、一度食べだすと手がとまらなくなるほどの美味しさでビールのお供に欠かせません。
栄養価も高く、特にたんぱく質が豊富でビタミンEも多いのが特徴。
高カロリーではあるものの、食物繊維も豊富に含まれより健康に良いのも嬉しいところです。
販売されているものはほとんど炒ったものですが、家庭菜園で育てた大粒種(おおまさり)を茹でて食べるのもぷりっとやわらかくおすすめ。
初心者でもつくるのが簡単で、ほとんど放置して栽培できるのでぜひ挑戦してほしい作物です。
落花生栽培の特徴
科目 | 発芽適温 | 生育適温 | 連作障害 |
アブラナ科 | 20~30℃ | 25~28℃ | あり(3年程あける) |
日当たり | 株間 | 収穫まで | pH(土壌酸度) |
日なた | 30cm | 25~30㎝まで最短5ヶ月程 | 6.0~6.5 |
落花生の原産地は南アメリカで、強い日光と高温を好む野菜。
種まきからは5カ月ほどで収穫できます。
子房柄と呼ばれる受粉・受精後の花が地中に潜って実が出来る、一風変わった育ち方。
名前の由来も花が落ちて出来ることからきています。
暑さには強い一方、寒さに弱いため、十分暖かい時期に栽培してください。
土中にもぐり実がなる特性から、粘土質土壌は不向きでさらさらした砂壌土が向いています。
病害虫に強いため栽培は簡単で初心者にもおススメですよ。
ポイント
・マメ科植物なので窒素肥料は少なめに
・暖かい時期(15℃以上)に栽培する
・子房柄がもぐりやすいよう土は柔らかくする
落花生人気の品種
落花生は粒の大きさで分けられ大・中・小粒種がありますが売られている品種はほとんど大粒種。
熟期も早生~晩生まであり、草姿は這性、半立ち性、立性などさまざま。
ここでは家庭菜園にお勧めな定番人気種を紹介します。
千葉半立
落花生の代表的品種。収穫量もあり、食味はぴかいち。
おおまさり(ジャンボ落花生)
なんといっても粒が大きいのが特徴。甘味も強く濃厚で、茹で落花生として食べるのが定番。
落花生の栽培時期
落花生の地域ごとの栽培スケジュールになります。
あくまでも目安なので、詳細は種袋の裏を観て確認してください。
種まきと育苗【芽出しは種向きが重要】
落花生は直まきの方が根付きが良く、初期生長がパワフルです。
ただ鳥害対策が困難な場合や、畑を出来るだけ有効活用したい方はポットまきから育てることをお勧め。
種まきの時期はどの地域も5月〜6月初旬の間。
種を置く向きは、縦にして先が尖った方を地面に向けて差し込みます。
直まき
株間、条間ともに30cmあけ、空き缶の底を押し付けて深さ2cmの蒔き溝をつくります。
蒔き穴に3粒種を置き、土を軽くかけて押さえた後、たっぷりと水やりをしてください。
鳥害対策として、不織布を上からゆるく被せておきます。
双葉から本葉が出てきたころに不繊布を外し、3本のうち小さい苗を1本間引いて二本仕立てにしてください。
注意ポイント
・種まき前後に雨が続くと種が腐る場合があるので、晴天の続く日を選ぼう
ポットまきと植えつけ
培養土を入れた3号ポリ鉢に種を三粒、尖った方を下向きにしてまきます。
そして軽く上から押さえつけ土をかぶせ、水を十分にやり育てていきます。
ビニール温室や不繊布をかけるなどなるべく暖かい場所(20℃~30℃適温)において生育しましょう。
注意ポイント
種は腐りやすいので発芽する一週間まで、日陰に置き水やりは控える
本葉が2枚程出るころに1本をまびいて2本仕立てにします。
この時点で植えつけれますので、準備した畑に植えつけていきましょう。
晴天の午前中を選び、植穴にポット程度の穴を開け、水を入れていきます。
ポット苗にも十分に水をかけ、崩さないように植穴に入れ、軽く土をかけ押さえてください。
最後に十分にまた水をやり完了です。
土づくり(耕し方と肥料について)
まず種まきの約一週間前に、粒状苦土石灰を200g/㎡(1㎡おおよそ4握り)まき、しっかりと耕します。
この時、耕しついでに高さ20cm、幅90cm程の畝を作っておきましょう。
そして種まき当日、堆肥・元肥を全面にばらまき畝が崩れない程度にクワで軽く混ぜこみ、平グワorレーキで表土をフラットにします。
土づくりポイント
・苦土石灰散布は、植え付けの一週間前に終わらせておく
・植物性堆肥&化成肥料なら、即日種まきOK
・落花生はカルシウムがたくさん必要なので苦土石灰多めで
水やりの頻度と除草作業について
落花生は初期成育がゆるやかで、雑草の勢いに負けがちです。
定期的に除草して、その際に混ぜ合わせ(中耕)してやりましょう。
落花生は乾燥にすこぶる強いので、水やりしなくとも、降雨のみで育ち実がなります。
ただし、実がなり始めるころ水分は多めにいりだすので、もし収量を確実に上げたいなら水やりをするのも手。
梅雨明け以降、真夏になってからは乾燥しやすいので一週間に一回たっぷりと水やりをしてやれば安心でしょう。
注意ポイント
開花後は土中に入る子房柄を傷めないよう気を付けて除草する
追肥・中耕・土寄せ
開花しはじめたのを合図に、追肥と土寄せをします。
株間に化成肥料888を50g/㎡(1握り)まき、子房柄が入りやすくなるよう混ぜ合わせ(中耕)、株元に土寄せしておきます。
土寄せは葉が埋まる限界までもりあげておくことで、収量があがります。
花が咲き始めて数日後、いよいよ子房柄が伸び土下に入り始めます。
開花後すぐに土寄せをすませ、それ以降は中耕、土寄せは一切やめましょう。
誤って土中に入った子房柄を出すと実がならなくなってしまいます。
収穫の仕方と時期
葉全体が黄色く枯れてきたら収穫期。
晴天の続く日に穫りましょう。
試し掘りして網目がしっかり入っているようならOK。
株の周りからクワで持ち上げるように掘りあげてください。
掘り上げた株は逆さにして一週間ほど畑で乾燥させます。
取り遅れると子房柄が切れて収穫しにくくなったり、霜で痛むので注意します。
メモ
収穫期の20日前ほどの若ざや穫りもできる。実が十分肥大しきらないころに収穫し、食べてみよう。
洗うことはせずに乾燥させ保存
収穫した落花生は泥がつき、水分量が多いのでそのままだとすぐカビが生えてしまいます。
前述したように、株を抜いてひっくり返したら、その場で一週間ほど天日干しで乾かしましょう。
その後、長期保存したい場合はさらにつるすか、サヤだけにしてさらに一ヶ月天日干ししてください。
泥は乾けばある程度自然にとれるので、水洗いして干さず、茹でたり炒るときに洗うことをおススメします(腐りにくくするため)。
干した後は冷暗所に段ボールなどに入れて保存してきましょう。