もぐみん(@agrimichi)です。
白い羽をふわふわ羽ばたかせ、葉について吸汁する「コナジラミ」。
家庭菜園で野菜づくりされる方へ、コナジラミ被害の駆除対策方法をお伝えします。
コナジラミとは〜生態と被害の特徴〜
生態
成虫は体長1~2㎜前後で、米粒状の形で真っ白な羽をもつため発見しやすく、他の昆虫と簡単に区別できます。
柔らかい葉裏に産卵し、だいたい20~30日で卵から成虫になります。
幼虫は1㎜以下の楕円形で、孵化後少し動きまわったあと足が退化し、ぴったりと葉裏に固着して成長。
暖かい時期は旺盛に繁殖し、年間10回以上のサイクルで発生します。
主にオンシツコナジラミとタバココナジラミの2種があげられ、オンシツコナジラミは幼虫時、全体から白い突起糸が出ているのが特徴。
オンシツコナジラミは寒さに強く、関東以西なら露地で冬越し出来ます。
よって暖冬だと翌春、発生が多くなってしまいます。
被害の特徴
まず、家庭菜園では雨除け栽培でない限り被害が少ないため気にする必要はありません。
コナジラミは成虫・幼虫ともに葉裏(成虫は葉茎も)について、吸汁により養分をとって株を弱らせます。
吸汁のあとは葉緑素が抜けて白くかすれたような状態になりますが、枯れるまでいくことはあまりありません。
トマトの果実を吸汁し着色しない箇所が出たり、ピーマンやししとうの新芽や果実にもつきます。
キャベツ、セロリーの茎につくことも。
吸汁したあとの糞が葉について、すす病の原因にもなります。
さらにタバココナジラミはトマト黄化葉巻病のウイルスを媒介し、吸汁でトマトに伝染させます。
発生しやすい時期
4~10月。特に夏。
コナジラミが好んでつく野菜
ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、メロン、インゲン、カボチャ、キャベツ
駆除・防除対策
シルバーシートで忌避効果があり、防虫ネットでも防除出来ます。
しかし家庭菜園においてはコナジラミ被害は少ないため、アブラムシやハダニの農薬防除の一環で駆除することをおススメ。
コナジラミに効く殺虫剤(農薬)
アブラムシやハダニ同様、気門封鎖系(膜をつくり窒息死させる)の農薬【アーリーセーフ、ベニカマイルドスプレー】が効きます。
ここでは家庭菜園初心者も使用しやすい、有機JAS規格(オーガニック栽培)に使える農薬を紹介しましょう。
ベニカマイルドスプレーは食品の水あめが成分で、とろみのある液体がコナジラミを包み込み窒息死させます。スプレー式なため薄めずとも簡単に使用でき、収穫の前日まで使えるので初心者にうってつけ。
アーリーセーフはヤシの実油が成分で、同じく膜をつくり窒息死させる効果があります。ボトル入り水に薄めて使います。収穫前日まで使え、殺菌効果もあり。うどんこ病の治療にも使えるので一石二鳥です。
コロマイト乳剤はコナジラミのみでなくハダニに即効性の効果を示します。天然の微生物が生産する成分で有機JAS規格(オーガニック栽培)使用されています。大量発生したときにおススメ。野菜ごとの使用回数と時期をしっかり確認しましょう。
注意ポイント
農薬は化学系・有機JAS規格(オーガニック栽培)使用可能のもの問わず、必ず説明書を確認してください。適用作物・害虫、使用方法・回数・時期ほか、安全使用上の注意が定められています。
黄色粘着テープはプランター栽培でつかおう
成虫は黄色に誘引されるのでしっかりと黄色粘着テープにくっつきます。
ただすべてを殺虫できるわけではなく、広い畑の栽培で劇的な効果は望めません。
ミニ温室やベランダー、軒下のプランター栽培での使用をおススメします。
酢は予防程度と考えよう
食酢は特定農薬に指定されていますが、害虫の殺虫効果があるとは記されていません。
アブラムシ・ハダニ・コナジラミに対して若干の忌避効果があると言われているので、過度な期待はせず予防的に使いましょう。
牛乳はおススメしない
牛乳を薄めてかけるとコナジラミ・アブラムシ・ハダニなどの気門を封鎖し(窒息させ)殺すことが出来ます。
ただし牛乳はタンパク質、脂質が多く条件によっては腐敗しやすいですし、コスト的にもそんなに安いとも言えないのであくまで代用的手段でしょう。