もぐみん(@agrimichi)です。
家庭菜園初心者向けに、ブロッコリーの栽培・育て方の基本をまとめました。
一般的な知識だけでなく、自身の経験から得たノウハウを盛り込んでいるため、初めての方も安心してブロッコリーを育てることが出来る内容になっています。
ブロッコリーとは
ブロッコリーはアブラナ科で実はキャベツの仲間になります。
アフロのようなモコモコは、花が咲く前のつぼみ。
ほのかに甘い癖のない風味とコリコリとした歯ごたえが特徴で、食卓に欠かせない葉物野菜です。
調理は炒め物から茹でサラダ、スープやシチューの具にするなど和・洋・中問いません。
さらに栄養価も高く、特にビタミンCは100gで一日に必要な分が取れるほど豊富に含まれています。
その他、葉酸や各種ビタミン、食物繊維もふんだんに含まれるのだから、まさに野菜界のスーパーアフロと言えるでしょう。
そして家庭菜園では大きな花蕾(つぼみ)にくわえ、側花蕾(わき芽から出る小さなつぼみ)もチョコチョコ収穫できてオススメ。
難易度も決して高くないので、初心者の皆さんもぜひ挑戦しつぼみ収穫祭を楽しんでほしいところです。
ブロッコリー栽培の特徴
科目 | 発芽適温 | 生育適温 | 連作障害 |
アブラナ科 | 15~30℃ | 18~20℃ | あり(3年程あける) |
日当たり | 株間 | 収穫まで | pH(土壌酸度) |
日なた | 株間・条間40cm | 3~4ヶ月程 | 6.5前後 |
ブロッコリーの原産地は地中海沿岸で、寒さ、暑さともに強い野菜。
ほぼ通年栽培が可能ですが、25℃以上、5℃以下では生育がほぼストップします。
花らい(花の蕾)を生長させるためには涼しい環境が適しているので、夏〜秋まきで冬に収穫するのが旬。
収穫は種まきから3~4ヶ月でできます。
根は浅く広がりながら乾燥には強い傾向。
一方多湿には葉物類でもトップレベルに弱く、根が腐ったり病気で枯れやすいです。
バーク堆肥or腐葉土などの堆肥を十分に施して、適度な水はけと水持ちをよくしてやりましょう。
ポイント
・高畝にして水はけよく
・時期に適した品種を選ぼう
ブロッコリーの品種について
ブロッコリーは花の蕾を食べる野菜ですが、最近は茎を中心に食べる品種が家庭菜園では人気。
ここでは代表的な品種をあげておきます。
りょくれい
春まき・夏まき出来、側花蕾も収穫出来る家庭菜園の定番品種。
スティックセニョール
アスパラガスに似た甘味のある茎を食べる品種。側花蕾を次々と収穫出来ます。
ブロッコリーの栽培時期
ブロッコリーの地域ごとの栽培スケジュールになります。
あくまでも一般的な目安なので、詳細は種袋の裏を確認してください。
春まき、秋まきとありますが初心者は育てやすく旬な秋まき栽培をおすすめします。
春まきは気温が低いので、保温し適温下での種まき・育苗が必須になります。
種まきと育苗
種は春まき用、夏まき用に加え早生・中生・晩生と分かれているので品種ごとの適期をよく確かめてください。
培養土を入れた3号(9㎝)ポリ鉢へ水をたっぷりかけた後、種を5~8粒まきます。
土を5mmほど薄くかぶせ軽く押さえたら、再度水をかけて完了。
本葉が一枚出るころに間引いていき、一本仕立てにします。
夏まきの場合、発芽し本葉2~3枚までは高温で徒長を避けるため日陰(25℃以下が理想)で育てます。
春まきは定植まで保温(夜温10℃以上、日中20℃以上)し、植えつけ三日前には外気温に慣れさせるようにしましょう。
そのまま本葉5~6枚ほどの苗に育てていきます。
ポイント
・土表面が乾いたら朝に水やりしよう(夕は徒長して×)
・夕方萎れても水やりは我慢し次の朝に
土づくり(耕し方と肥料について)
まず種まきの約一週間前に、粒状苦土石灰を150g/㎡(1㎡おおよそ二握り)まき、しっかりと耕します。
この時、耕しついでに高さ20cm(粘土質は30cm)、幅90cm程の畝を作っておきましょう。
そして種まき当日、堆肥・元肥を全面にばらまき畝が崩れない程度にクワで軽く混ぜこみ、平グワorレーキで表土をフラットにします。
土づくりポイント
・湿害に弱いので高畝に
・苦土石灰散布は、植え付けの一週間前に終わらせておく
・植物性堆肥&化成肥料なら、即日種まきOK
苗の植え付け方
苗は本葉5~6枚ほど、株の節間ががつまり葉色の濃いものを選びます。
株間、条間ともに40cmあけ、植えつけていきます。
畝立てした土をポットの入る深さまで掘り上げ、十分に水をかけます。
ポット苗に水をかけ、抜いて植穴に入れ株元を持ちながら土を戻して軽く押さえます。
このとき深植えしないように3分の1ポット跡が出る程度で埋めましょう。
最後にもう一度水やりして完了。
ポイント
・植え付けは曇りか夕方にしよう
・一週間は根付かせるため水やりを控える
メモ
本葉が4枚残るよう主枝を摘心しておくと、脇芽が二つ出て小ぶりのブロッコリーが2個できます。家庭菜園では小さいほうが使い勝手が良かったりもするので、ぜひ試してみましょう。
水やりの頻度
ブロッコリーは乾燥に耐える野菜なので、基本的には水やりせずとも天気に任せ育ちます。
ただ過湿に弱いながら、水分はたくさん吸収した方が大きくなるという側面も持っているのも事実。
なので蕾が見え始めたら、乾燥に気を付けて水やりしてみてください。
株自体は小さかったとしても、大きな花蕾が収穫できますよ。
防虫ネット
ブロッコリーはアブラムシや青虫などの害虫がつきやすく、特に生育初期は葉が柔らかく要注意。
防虫ネットのトンネルを張って防除しましょう。
もし卵をみつけたら早急に手ですりつぶし、幼虫は捕殺してください。
追肥・土寄せ
植えつけから2~3週間後、葉が大きくなり展開してくるころに1回目の追肥をします。
化成肥料30g/㎡を畝肩にまき軽く混ぜ合わせ(中耕)土寄せしてやりましょう。
二回目は蕾のつきはじめ頃、以前と同量を畝肩に施し、倒伏を防ぐため再度株元に土寄せします。
収穫後は、わき芽(側花蕾)を育てるため再度同量を追肥してください。
スティックセニョール(茎ブロッコリー)の摘心
スティックセニョール(茎ブロッコリー)は本枝になった花蕾が500円玉大になったら摘心してやります。
そうすれば脇芽から旺盛に花蕾が出てきて、どんどんと収穫出来ます。
ブロッコリーの収穫
頂花蕾(中心の蕾)が12~13㎝、繊密なかたまりになったころが収穫期です。
本葉3~4枚をつけて根元から包丁で切り取りましょう。
あまり大きくなりすぎると茎が堅くなる、花が咲き始めるなどして食味が落ちるので(特に初夏穫り)適期を守ってください。
収穫後も、2週間ほどでわき芽(側花蕾)が次々と出てくるので順次3~5㎝の茎になったら穫っていってください。
メモ
実は葉っぱと茎も食べることが出来ます。特に茎はアスパラガスのように甘く美味しいので外皮だけ向いてぜひ食べてみましょう。
スティックセニョール(茎ブロッコリー)の収穫
スティックセニョールは大体、側花蕾が3~5cmになったら収穫します。
生長の背が高くなり風で倒れやすいので、途中で支柱を立ててあげても良いでしょう。
根元10~20cmのところから切ってください。
失敗を防ぐ生育診断
野菜から出る症状はさまざまな要因が絡んで出るので、原因の特定は難しいです。
ただブロッコリーはわかりやすい症状がいくつかあるので一つの参考にしてください。
花蕾ができない・小さい(ボトニング)
ブロッコリーは春まきもできますが、育てると小さい花蕾しかできないことがあります。
早まきしたゆえに低温を感じてすぐ蕾をつけてしまうこと(ボトニング)が原因。
逆に遅く植えすぎると病害虫に犯されるリスクが上がるため、春まき用の品種を選び、適期を見逃さないことが成功の秘訣です。
失敗を避けたいなら生育期間の短いスティックセニョールなどの側花蕾品種もおススメ。
茎が茶色い
茎の表面がかさぶたのように茶色くなるのはホウ素欠乏による生理障害です。
ホウ素が足りないのみでなく、乾燥やPHが高すぎて吸収できない場合があります。
茎に空洞ができる
茎に空洞が出来ていた場合は、肥料過多(窒素)、水分過多が原因と考えられます。
紫色になる
ブロッコリーの蕾が紫色になることがありますが、低温の影響でアントシアニン色素が発生しただけなので安全で心配いりません。(リン酸が少ないと発生しやすい)。
食味にも一切問題なく、茹でると色もきれいな緑色に変わります。