もぐみん(@agrimichi)です。
家庭菜園初心者向けに、オカノリの栽培・育て方の基本をまとめました。
一般的な知識だけでなく、自身の経験から得たノウハウを盛り込んでいるため、初めての方も安心してオカノリを育てることが出来る内容になっています。
オカノリとは
オカノリは春から秋にかけての葉野菜で、オクラの仲間。
葉を包丁できざむとぬめりが出て、軽くあぶると海苔のような香りがすることが名前の由来のようです。
あまり知られていない野菜ですが、苦み、臭みがなく癖のない味で、モロヘイヤをさらにやわらかくしたような感じ。
炒め物からお浸しにとどまらず、何に入れても合う隠れた美味葉物です。
火で炙って海苔のようにしておにぎりに混ぜるもよし、てんぷらにするもよし。
ちなみに大きな葉は茹でてもかたい場合、茹で時間を通常の3~4倍にすると、粘りと柔らかさが増して食べやすくなりますよ。
栄養価も高く、豊富なビタミンB1、鉄分にくわえ、カルシウムはなんとほうれん草の2倍。
さらに家庭菜園で育てるのは超簡単で、次々と柔らかい葉が穫れますのでぜひ栽培してみたいところ。
オカノリ栽培の特徴
科目 | 発芽適温 | 生育適温 | 連作障害 |
アオイ科 | 15~20℃ | 15~20℃ | 少な目(1年程あける) |
日当たり | 株間 | 収穫まで | pH(土壌酸度) |
日なた | 最終約15cm | 草丈15㎝まで最短1ヶ月半 | 6.0~6.5 |
オカノリの原産地は中国、熱帯アジアで、温暖で日当たりの良い環境を好む野菜。
暑さ、寒さともに強く丈夫で育てやすいため、春から秋にかけていつでも種まきして栽培できます。
種まきから1ヶ月半ほどで収穫出来、数か月は穫れるため初心者にもおススメ。
土壌も特に選びませんが、乾燥すると茎葉が堅くなりやすいので堆肥を入れて水持ちをよくしてやりましょう
栽培ポイント
・葉が柔らかいうちに収穫する
・乾燥しないよう敷き藁や水やりを
オカノリの品種について
オカノリは一種類のみの品種になります。
オカノリ
オカノリの栽培時期
オカノリの地域ごとの栽培スケジュールになります。
あくまでも目安なので、詳細は種袋の裏を確認してください。
初夏から秋までが栽培の旬ですが日が短くなると花を咲かせ葉茎が堅くなってくるので早めに収穫するようにしましょう。
土づくり【耕し方と肥料のやり方】
まず種まきの約一週間前に、粒状苦土石灰を100g/㎡(1㎡おおよそ二握り)まき、しっかりと耕します。
この時、耕しついでに高さ20cm、幅90cm程の畝を作っておきましょう。
そして種まき当日、堆肥・元肥を全面にばらまき畝が崩れない程度にクワで軽く混ぜこみ、平グワorレーキで表土をフラットにします。
畝1㎡あたり元肥量
・バーク堆肥or腐葉土 2~3㎏
(4~5リットル分)
・化成肥料888 100g
(おおよそ2握り分)
土づくりポイント
・苦土石灰散布は、植え付けの一週間前に終わらせておく
・植物性堆肥&化成肥料なら、即日種まきOK
種まき・育苗
オカノリは畝へ直まきします。
畝全体土の表面を、なるべく平にしてください。
畝に沿って条間30cmごとに深さ1cmの溝を支柱などでつけます。
溝上から種を1cmごとにまき薄く土をかけ、手でしっかり押さえてあげてください。
最後にまたたっぷりの水をやって完了。
発芽するまでは土表面が乾燥しないよう、毎朝水やりをしましょう。
種まきポイント
・発芽するまでは毎朝水やりを
・もみ殻や不繊布などで乾燥防止してもよい
間引きの仕方
発芽してから本葉2~3枚になったら、込み合ってるところだけ間引き、3㎝間隔くらいを保ちましょう。
その後、特に初期は生育が緩やかなため、雑草が生えてきたら適宜除草してください。
生長が早いので、すぐに込み合ってきます。
再度葉が重なった時点で、5㎝間隔くらいまで間引いてやりましょう。
その後は込み合う度に間引いていき、最終的に15㎝株間にします。
ちなみにオカノリは草丈15㎝になるまでの若葉が葉茎が柔らかく一番美味しいです。
あえて間引きを草丈10cm付近までせず、徒長した若葉を引き抜き食べていくスタイルも面白いかもしれません。
水やりの頻度
オカノリは乾燥にも強いですが、水分が少ないと葉茎がかたくなってしまいます。
梅雨明け以降、晴天が続き表土が乾くようならたっぷりと早朝に水やりすると良いでしょう。
追肥の仕方
おかのりは水分不足にくわえ、肥料が足らない場合も葉茎がかたくなりがちです。
種まきから3週間ほどで肥料が切れてくるので、追肥しましょう。
30g/㎡(一握り)の化成肥料888を追肥します。
軽く土を混ぜ合わせ(中耕)てやりましょう。
その後は月に一回同量を追肥してください。
収穫
種まきから一ヶ月ほど経ち、草丈が20cm程になったら収穫しましょう。
やわらかい葉茎を選び、先から10~15cmほどをハサミで切りとってください。
その後は脇芽がどんどん出てくるので、葉茎が堅くならないうちに穫っていきます。
茹でて茎が堅いようなら、葉だけを食べるようにしましょう。この時点でも既に茎はかたく食べにくいです。
もう少し小さい間引き段階で引き抜き収穫し、新たに種まきしていくというやり方もおススメ
花が咲く場合は
おかのりは栽培から二ヶ月も経てば花芽をつけ、小さな花を咲かせます。
花芽がつくと著しく生長は衰え、葉は小さめに。
この状態になるともう生長は見込めないので、引き抜き片づけるか、そのまま残して種取りをすることをお勧め。
そのほかは特に失敗する要素がないほど簡単で丈夫です。
春先に植えると初期生育が遅いですが、気温が上がるにつれ旺盛に生長するので心配いりません。