もぐみん(@agrimichi)です。
家庭菜園初心者向けに、大葉(紫蘇、シソ)の栽培・育て方の基本をまとめました。
一般的な知識だけでなく、自身の経験から得たノウハウを盛り込んでいるため、初めての方も安心して大葉(紫蘇、シソ)を育てることが出来る内容になっています。
大葉(紫蘇、シソ)とは
大葉(紫蘇、シソ)は清々しい香りがする葉で、日本を代表するハーブ。
大葉とも、紫蘇(シソ)とも呼びますが流通の商品名が大葉で、正式な品種名は紫蘇になります。
生の葉をサラダや冷麺など、あらゆる料理の香味として使用されます。
その爽やかな香りから料理に欠かせないという方も多いでしょう。
さらに香り成分には殺菌、防腐作用があるため、昔から刺身のツマとしても活躍しています。
栄養もβカロテンが豊富で、各種ミネラル(カルシウム、マグネシウム)などがバランスよく含まれています。
丈夫で虫も他の野菜に比べるとつきにくいので、家庭菜園でも超簡単。
葉っぱを食べるとあって、植えつけ一ヶ月半ほどで収穫出来るので、ぜひ挑戦してほしいところです。
大葉(紫蘇、シソ)栽培の特徴
科目 | 発芽適温 | 生育適温 | 連作障害 |
シソ科 | 20~25℃ | 20~25℃ | あり(1年程あける) |
日当たり | 株間 | 収穫まで | pH(土壌酸度) |
日なた | 30㎝ | 約2ヶ月 | 6.0~6.5 |
大葉(紫蘇、シソ)の原産地はヒマラヤ、ミャンマー、中国で、日当たりと水はけの良い場所を好みます。
種まきから二か月程で収穫でき、苗からだと一ヶ月あれば穫れるお手軽な野菜。
乾燥に弱いため、日光は当たるものの若干湿気のある土壌環境が適しています。
堆肥を十分に施して水持ちをよくしてやりましょう。
日が短くなると花を咲かせとう立ちするため、葉を長く収穫したいなら春から育てるようにします。
大葉(紫蘇、シソ)の品種について
大葉は市場に流通する商品名です。
正式には紫蘇(シソ)で、品種は大きく分けて青しそと赤しそがあります。
青しそ
赤しそ
ちりめんしそ
大葉(紫蘇、シソ)の栽培時期
大葉(紫蘇、シソ)の地域ごとの栽培スケジュールになります。
種まきと育苗
大葉は発芽率が高く、こぼれ種でも勝手に生えてくるほど。
なので直まき、ポットまきの両方できます。
ただし初期生育が緩やかなので、ポットまきで管理しながらがおススメ。
まずは培養土を入れた3号ポリ鉢へ事前に水をたっぷりかけます。
5~8粒程の種を均等にばらまいてください。
発芽には光が必要なため、軽く5mm土をかぶせて手で押さえましょう。
その後、さらに優しくシャワー水を控えめにかけます。
発芽をよくするため、ビニール温室や不織布をかけるなど、なるべく暖かい場所(20℃~25℃適温)におきましょう。
発芽したら、込み合いすぎてるところは間引きましょう。
本葉が2~3枚になった頃、葉が重ならないよう、どんどん間引いて大きい苗だけ残し一本仕立てにします。
ちなみに間引いた苗も芽ジソとして美味しく食べれます。
本葉が5~6枚になった時点で、畑に植えつけていきましょう。
育苗ポイント
・水やりは表土が乾いたら朝にやる(夕方は徒長)
・ナメクジに食べられやすいので防虫ネットや高台で防除しよう
土づくり【耕し方と肥料について】
まず種まきの約一週間前に、粒状苦土石灰を100g/㎡(1㎡おおよそ二握り)まき、しっかりと耕します。
この時、耕しついでに高さ20cm、幅60cm程の畝を作っておきましょう。
そして種まき当日、堆肥・元肥を全面にばらまき畝が崩れない程度にクワで軽く混ぜこみ、平グワorレーキで表土をフラットにします。
土づくりポイント
・苦土石灰散布は、植え付けの一週間前に終わらせておく
・植物性堆肥&化成肥料なら、即日種まきOK
苗の植え付け方
苗は本葉5~6枚ほどしっかりと出たものを選びます。
畝の株間は30cmほど開けてください。
晴天で風のない午前中を選ぶと良いでしょう。
ポット大の土穴を開け、たっぷりと水を注ぎこみます。
苗ポットにたっぷり水やりをしてから抜いて土穴に入れ、株元を持ちながら土を戻して軽く押さえます。
最後にまたたっぷりと水やりをして完了。
敷き藁
大葉(紫蘇、シソ)は乾燥を嫌うため、梅雨明けごろ、畝に敷き藁をするかもみ殻を蒔いて保湿してやりましょう。
水やりの頻度
大葉(紫蘇・シソ)は湿気のある土壌を好みます。
しかし露地の場合、水やりしなくとも基本的に降雨のみで十分育ちます。
萎れが出た時のみ、夕方にたっぷりと水やりしてやる程度で良いでしょう。
追肥の仕方
植えつけ時から一ヶ月ほど経ち草丈20cm以上になった頃、株元に一つまみ(5g)or30g/㎡の化成肥料888をやります。
それからは3週間に一回ほど畝肩に30g/㎡の化成肥料をやり、混ぜ込んで(中耕)ください。
摘心して脇芽を伸ばそう
草丈が30cmほどになったら主枝の先を摘心しましょう。
脇芽が旺盛に出るようになり、結果的に柔らかい葉の収量が増えます。
収穫時期と方法
植えつけから一ヶ月、本葉が10枚ほどになったら収穫期です。
下の葉からハサミで切り取って穫りましょう。
夏の終わり9月頃、とう立ちした穂ジソは付け根から切り取ってやります。
そのまま花を咲かすと葉の食味が悪くなってしまいますので注意。
ちなみに花自体も問題なく食べることが出来ます。
葉が黒くなる、色が悪いのはなぜ?
葉先が黒くなるのは、根が障害を受けています。
降雨が連続で続くと酸素不足になり根が傷みますし、窒素肥料をやりすぎた場合も同様に根に障害をうけます。
露地で多いのは追肥をした後、乾燥が続いて肥料濃度が上がり、根に障害を受けるケースでしょう。
追肥は適量、その後しっかりと水やりするようにしましょう。
虫が食べるのを防ぐには
大葉(紫蘇、シソ)は虫がつきにくいと言いますが、実際は多少なりつきます。
特にまだ葉の柔らかい育苗期にナメクジにやられたり、暖かくなってくるとバッタに穴をあけられたり、アブラムシが大量につくことも。
対策としては防虫ネットが手っ取り早いです。
植え付けて一ヶ月ほど経てば、ある程度大きくなり葉がたくさんできるので外しても問題ないことが多いでしょう。
アブラムシやハダニが大量についた場合は、食品成分(還元水あめ)使用の農薬「ベニカマイルドスプレー」が使いやすくおススメ。
収穫の前日まで使用できます。
失敗を防ぐ生育診断
葉が固い・香りがない
日当たりが良いと、必然葉はかたく、香りが薄くなります。
蒸散(呼吸で失われる水)を少なくするため、葉の表皮を丈夫にするからです。
スーパーに売っている大葉は意図的に軟弱に育てているため柔らかいだけです。
柔らかく香り高い葉にしたいなら、半日以上影にするか遮光して育てます。
そして水分、養分を十分にやって代謝を早くすればOK。
液肥が効きやすく良いでしょう。
発芽しない
光発芽種子(発芽に光がいる)ので、ごく薄く土をかけ日に当てることが発芽の肝になります。
その他の原因として、自家栽培の種を蒔いて発芽しない場合は、休眠しています。
大葉は種をとってから半年は休眠するので、それ以上置いたものを蒔くようにしましょう。