もぐみん(@agrimichi)です。
家庭菜園初心者向けに、セロリの栽培方法・育て方の基本をまとめました。
一般的な知識だけでなく、自身の経験から得たノウハウを盛り込んでいるため初めての方も安心してセロリを育てることが出来る内容になっています。
セロリとは
セロリは独特の香りを持つ西洋野菜。
三つ葉にも似た香りを持つことから和名で「オランダ三つ葉」とも言います。
茎の部分が白いのは、栽培で遮光して軟白化しているため。
そして調理の定番は、なんといっても茎部分を生のスティックにし、丸かじりすることです。
強い香りから好みは分かれますが、野菜一と言っても過言ではないシャキシャキ感を一度は味わないと損。
栄養もカリウムが豊富で、香り成分の「アピイン」は気持ちを落ち着かせリラックスさせる効果もあります。
家庭菜園では少し育てるのに時間がかかりますが、穫れたてでしか味わえない抜群の食感を楽しめるのでぜひ挑戦してほしいところ。
セロリ栽培の特徴
科目 | 発芽適温 | 生育適温 | 連作障害 |
セリ科 | 15~25℃ | 15~20℃ | 少な目(2年程あける) |
日当たり | 株間 | 収穫まで | pH(土壌酸度) |
日なた | 30㎝ | 半年程 | 6.0~6.5 |
セロリの原産地は地中海沿岸で、温暖な気候を好む野菜。
種から植えると収穫まで半年ほどかかるため、初心者は市販苗を買って育てた方が良いでしょう。
20℃前後で順調に生長しますが、寒さ、暑さともに弱く25℃以上になると生長が悪くなって病気にもかかりやすくなります。
肥沃(肥料持ちが良く)で水もちの良い土を好むため、十分堆肥を施して肥料が効くようにしてやることが肝。
日当たりが悪いと軟弱になるので、しっかり日光が当たる場所で育てましょう。
栽培ポイント
・水やり、追肥をしっかりやる
・腐植(堆肥)をふんだんに入れる
セロリの品種について
黄色種、緑色種とその中間がありますが、ここでは代表的な緑色種を紹介しておきます。
コーネル619
90日ほどで2㎏ほどの大株になる。香りも強すぎず、丈夫。
トップセラー
1kg程度の小株で、コーネルと比べて肥料量も半分ほどで収穫出来る。丈夫で病気に強く、食味も良い。
セロリの栽培時期
セロリの地域ごとの栽培スケジュールになります。
あくまでも目安なので、最寄りの園芸店では春や秋に苗が売られていることが多いです。
土づくり(耕し方の肥料のやり方)
まず種まきの約一週間前に、粒状苦土石灰を150g/㎡(1㎡おおよそ3握り)まき、しっかりと耕します。
この時、耕しついでに高さ20cm、幅90cm程の畝を作っておきましょう。
そして種まき当日、堆肥・元肥を全面にばらまき畝が崩れない程度にクワで軽く混ぜこみ、平グワorレーキで表土をフラットにします。
土づくりポイント
・苦土石灰散布は、植え付けの一週間前に終わらせておく
・植物性堆肥&化成肥料なら、即日種まきOK
種まき・育苗
種は高温下で発芽しにくいため、前日に水につけた後、濡れた布に包んであらかじめ芽出しをしてください。
培養土を入れた3号ポリ鉢に水を事前にかけ、種を三粒均等におきます。
そして土をごく薄くかぶせ、水を十分にやり涼しい場所(20℃前後)で育てていきます。
本葉が2枚程出るころにい2本をまびいて1本仕立てにします。
そのまま一ヶ月ほどかけ本葉5~6枚の苗に生長させたら、4号鉢に移植してください。
そのまま本葉7~9枚になるまで生長させます。
育苗ポイント
・表土が乾いたら徒長しないよう朝水やり
・温度が上がりすぎないよう、よしずなどで遮光しよう
マルチ張りor敷き藁
セロリーは根が浅く張り、乾燥に弱い野菜です。
土壌水分を安定させるため、マルチを張りましょう。
アブラムシ被害にあいやすいのでシルバーマルチがおススメ。
株間、条間ともに30cm間隔で、カッターを使い十文字の植穴を開けておきましょう。
マルチをしてない場合、土が乾燥しないよう草丈が5㎝以上になってきた頃から株間に敷き藁をして土の乾燥を防いでやりましょう。
植え付け
本葉7~9枚ほどの葉の色が濃い苗を選んでください。
株間、条間ともに30cm間隔で植え付けます。
畝の土をポット大まで堀り、水を入れます。
ポット苗にも水をたっぷりやった後、植穴に入れて、株元を持ちながら土を戻して軽く押さえます。
マルチをしている場合、熱風にさらされないよう畝とマルチの隙間を土で埋めておきます。
最後にたっぷりと水やりをして完了。
ポイント
・深植えは避けて、ポットが3分の1出るくらい浅植えする
水やりの頻度
セロリは多量の水分を必要とします。
植え付け直後から、乾燥が続き表土が乾いたらしっかりと水やりしましょう。
本葉15枚ほどになると真ん中の葉が立ってくる(芯葉が立つ)ので、この頃から特に乾燥に気を付け水やりをするようにしてください。
防虫ネット
セロリはアブラムシのほか、キアゲハの幼虫に食害されやすいです。
植え付け直後から寒くなり虫がいなくなるまで、防虫ネットをトンネル付けして対策しましょう。
追肥の仕方
セロリは葉物のなかでも肥料を最も多く必要とするので、追肥をします。
一回の追肥で888を40g/㎡やります。
植え付けから約一ヶ月後に1回、その後2~3週間後に様子をみてもう一度追肥をしてください。
本来はもう3回くらい追肥がセオリーだけど、マルチをしていれば1回の追肥でも十分です。
3回目の追肥以降は株の状態をみて、葉色が薄く生長が悪いようなら追肥してください。
軽く土と混ぜ合わせ(中耕)てやりましょう。
わき芽とり・葉かき
植え付けてから一ヶ月後、本葉10~15枚になると脇芽が出てくるのでかきとってやります。
また、生長の途中に黄色くなった葉があったら躊躇なくとりましょう。
その後も随時出た脇芽と弱った下葉をとってください。
病気を防ぎ、大株に生長してくれます。
軟白処理
スーパーなどで売られているセロリは茎が白く、柔らかいです。
同じように軟白化するためには草丈が30cmのころ、段ボールや新聞紙などで茎をくるみガムテープで固定して日光をさえぎってやります。
だいたいとりつけて3週間もあれば茎が白くなりますよ。
段々大きくなってくるとテープがとれるので、最後はしっかり紐で縛っておくことをおススメ。
収穫
軟白処理してから一ヶ月も経てば収穫出来ます。
植え付けからはだいたい70~90日かかります。
草丈は30cm以上になれば穫れるので、場合に応じて早穫りもできますよ。
また、外側の葉だけ株元から少しづつ切り取るのも良いでしょう。
ただ、あまり大きくなりすぎるとス入りしてしまうので気を付けてください。
スは葉茎の先端から入ってくるので、試しに先を確認してみるとわかりやすいです。
生育診断
葉茎が硬くなるのは?
セロリは本葉2~3枚以上で12~13度の低温にさらされると花芽をつけやすくなります。
花芽をつけると葉茎も一気に硬くなってしまいます。
そのほかは単純に水分と肥料の不足がまず原因として考えられるでしょう。