もぐみん(@agrimichi)です。
果菜類の果実の中に潜り食害する「オオタバコガ」。
家庭菜園で野菜づくりをされる方へ、オオタバコガの被害の駆除対策方法お伝えします。
オオタバコガとは〜生態と被害の特徴〜
生態
オオタバコガの成虫は蛾の仲間で体長15~20mm。
茶色からクリーム色、赤みを帯びたものなど体色に個体差があります。
幼虫は最終的に35~40mm、芋虫フォルムでまばらにある黒く小さい点から毛が生えています。
体色は茶色の個体が多いですが、黄緑色、濃い緑色、薄茶色などもいます。
新葉や花蕾に0.4㎜、淡い黄色の卵を一粒づつ離して産み付けます。1個体で1晩、数百個と大量に産み付け、生涯1000~2000個産卵することも。
孵化すると一時は葉を浅く食べますが、少し成長すると活発に移動して実や花蕾にもぐりこみます。
植物体の内部を食べながら、十分に成長し40㎜ほどになると土中に潜り、蛹化します。
羽化した成虫は数日以内に交尾し、繁殖活動をします。
移動能力がすこぶる高いのも特徴で、太平洋上付近でも確認されたことがあるほど。
寒くなってくると蛹化したまま冬越しし、しっかり暖かくなる初夏(5~6月)に変態して成虫となり、活発に長距離移動しながら繁殖活動します。
ワンシーズン4~5回のサイクルで発生。
25℃適温下
卵期間:約3日
幼虫期間:約14日
蛹期間:約14日
成虫期間:10日前後
被害
幼虫が植物体の実や花蕾、茎に潜り食害します。
成虫の蛾は食害しません。
高温乾燥時に被害が増えやすいです。
特に果実の被害が顕著で、トマトに穴が開き、内部を食い荒らされて糞だらけになります。
潜る性質と、移動能力の高さから1個体であっても次々と実の内部をスカスカにしていまいます。
野菜を選ばず、インゲン、枝豆のサヤに穴を空けて食害したり、とうもろこし、ナス、ピーマンなど見境なく被害が出ます。
レタス、キャベツなどの結球野菜の内部に侵入し食い荒らすこともあります。
ちなみにオオタバコガと見分けることが困難な「タバコガ」はナス科植物にしかつきません。
発生しやすい時期
5月~12月初頭
8~10月に多発。
オオタバコガが好んでつく野菜
ピーマン、レタス、ナス、キュウリ、ゴマ、イチゴ、オクラ、インゲン、枝豆など実のなる野菜、キャベツ、レタスなど結球野菜など。
駆除・防除対策
オオタバコガは、少し大きくなるとすぐに果実や花蕾にもぐって駆除が難しくなります。
卵は葉先や花蕾に産み付けられるので、その付近をよく観察し捕殺すると良いでしょう。
食害を受けた場合、幼虫を果実の内部から出して、いない場合は他に潜っているので探し当て捕殺してください。
防虫ネットでも成虫の産卵を防げますが、株丈の高い野菜では全部かけてられないので、その場合は農薬防除しましょう。
オオタバコガに効く殺虫剤(農薬)
オオタバコガに効く農薬はいくつかありますが、家庭菜園初心者にはSTゼンターリ顆粒水和剤がオススメ。
有機JAS規格(オーガニック栽培)に使え、有効成分は自然界にいる天然微生物(B.t.菌)からのものです。
茎や果実内に潜ってからでは効果が見込めないので、葉先にいる小さな幼虫を駆除&予防する意味で散布します。
注意ポイント
農薬は化学系・有機JAS規格(オーガニック栽培)使用可能のもの問わず、必ず説明書を確認してください。適用作物・害虫、使用方法・回数・時期ほか、安全使用上の注意が定められています。