病害虫対策

ネキリムシ(カブラヤガ)被害の対策【幼虫~成虫の生態・農薬による駆除まで】

 

もぐみん(@agrimichi)です。

若苗の茎や葉を噛み切り落とす「ネキリムシ(カブラヤガ)」。

家庭菜園で野菜づくりをされる方へ、ネキリムシ被害の駆除対策をお伝えします。

 

もぐみん
根元からばっさり切られてたら十中八九ネキリムシだよ

 

ネキリムシとは〜生態と被害の特徴〜

 

生態

ネキリムシはチョウ・蛾の仲間。

幼虫は茶褐色で大きなものは4cmになり、日中は地中(1~3cm深)に潜んでいます。

成虫は4~5月から発生し、地際や下葉に卵を1~2個分散させて産み付けます。

1個体あたり総産卵数は1000個にも。

孵化して1~2回脱皮するまでは葉や残渣有機物を食べます。

その後土中に潜り、夜のみ出てきて葉茎を食べて成長し蛹になって成虫に変態します。

ワンシーズンに3~4回のサイクルで発生。冬寒くなると幼虫or蛹で冬越しし、暖かくなるころ、成虫に変態し飛び立ちます。

 

卵期間:約5日

幼虫期間:約30日(冬は暖かくなる春まで)

蛹期間:約6日(冬は暖かくなる春まで)

成虫期間:約20日(暖地では冬越しする場合も)

 

被害

幼虫段階のネキリムシが主に若苗の茎や葉を食べられます。

名前的に根を食べそうですが、地際の茎までしか食害しません。

本来は主に雑草を食べて繁殖を繰り返すので、はじめて除草し栽培するような場所で被害にあいやすいです。

生まれたばかりから葉を食害するものの、小さいので被害は少なめ。

成長するにつれ被害が増します。

日が出ているうちは地中にもぐっているため発見できず、夜になると出てきて食害します。

小さい苗を狙って葉や茎をかみ切り食べるので、まるでハサミで根本を切り取った後のようになるのが特徴。

移動能力が高いため、1個体でも次々と広範囲の苗を食害する厄介さがあります。

ネギなどの若苗は跡形もなく食べられてしまうことも。

結球する野菜は内部に入り込んで食害することもあります。

 

発生しやすい時期

5~6月 9~10月

猛暑では大量発生する傾向にある。

 

ネキリムシが好んでつく野菜

キャベツ大根、カブ、ブロッコリー、カリフラワー、白菜、ホウレンソウ、ナス、ネギ

 

駆除・防除対策

放棄地や雑草が茂っていた場所は、被害にあいやすいです。

温床となる除草を徹底し、あらかじめ農薬を土壌混和しておくと予防できます。

また捕殺する場合は、株元の地中1~3cm深にいることが多いので軽く手で周囲を掘ってきたら出てきます。

防虫ネットでは成虫の産卵は防止出来ますが、すでに土中いたり、卵があるケースが多いので安心できません。

 

ネキリムシに効く農薬

 

ネキリベイトは株元にまくだけで即効性の効果を期待できます。種まきや植え付け直後に散布するとしっかりと殺虫し食害を防除できるでしょう。

 

 

家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3は種まきや植え付け前に土壌全面に混和させることで殺虫します。

効果は一ヶ月も続き、ネキリムシほかコガネムシ類にも効果があります。

 

注意ポイント

農薬は化学系・有機JAS規格(オーガニック栽培)使用可能のもの問わず、必ず説明書を確認してください。適用作物・害虫、使用方法・回数・時期ほか、安全使用上の注意が定められています。

 

ペットボトル

ペットボトルを輪切りにして株元に突き刺すと、柵になってネキリムシが入ってこれません。

ネキリムシは三cmほど潜ることを考えると、5㎝くらいは深く差し込んでおいた方が無難でしょう。

 

コーヒー

 

コーヒーの出がらしはネキリムシなど害虫全般に忌避効果があるとされています。

実際のところ効果はかなり薄く、畑ではほとんど活用できないでしょう。

プランターや鉢植えで余った出がらしを表土において、効果が実感できるか試す程度がおススメ。

 

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