家庭菜園初心者向けにズッキーニの栽培・育て方の基本をまとめました。
栽培のコツや病害虫対策、コンパニオンプランツ(混植)も網羅していますので、安心して美味しいズッキーニ栽培できる内容になっています。
ズッキーニとは
ズッキーニはきゅうりに似てますが、かぼちゃ(ぺぽかぼちゃ)の仲間。
淡泊な味と適度な食感と柔らかさなので、炒め物や揚げ物など幅広い料理に使えます。
さっとオリーブオイルで焼くのも良し。煮物にしてもトロトロで絶品。カレーに入れても美味しいですよ。
栄養分はカリウムが豊富で、高血圧予防からむくみ防止などの効果があります。
抗酸化作用のあるBカロテンやビタミンB群もあるため代謝を促進し身体を軽やかに。
さらにビタミンCも豊富なので美容効果も期待できます。
特に家庭菜園で育てるズッキーニはみずみずしさが段違いで栄養満点!
ズッキーニ栽培の特徴
種類 | 科目 | 発芽適温 | 生育適温 | 連作障害 | PH(土壌酸度) |
ズッキーニ | ウリ科 | 20~28℃ | 25~30℃ | 少なめ(1年程あける) | 6.0~6.5(弱酸性) |
ズッキーニの原産地は北アメリカで、十分な日光と暖かい環境を好む野菜。
カボチャの仲間ですがツルが伸びず、プランターで簡単に栽培できるので初心者にもおススメ。
収穫は種まきから3か月半ほど、苗からなら一か月半で穫れます。
土壌もカボチャ同様選びませんが、乾燥と、特に多湿には弱め。
風雨による泥はねや茎折れで病気にかかりやすいため、マルチや支柱立てをしっかりしてやりましょう。
また、35℃を超えると受粉能力が急激に低下してしまい、近年の猛暑では真夏弱りがちです。
栽培ポイント
・十分(60cm以上)に株間をとる
・生育初期は保温
・マルチと支柱をしよう
ズッキーニおすすめ品種一覧
ズッキーニはさまざまな色形の品種があります。
色は黄色、白色、薄い緑など。一般的な細長形から丸型、UFO型、ひょうだたん型とバラエティに富んでいます。
ブラックエッグ
ダイナー
バンビーノ
ゴールディ
オーラム
ズッキーニの栽培時期
ズッキーニの地域ごとの栽培スケジュールになります。
種まきと育苗
直まきもできますが、寒さや害虫をしのぐことを考えるとポットまきが管理しやすいです。
培養土を入れた3号(9㎝)ポリ鉢へ事前に水をかけた後、1cmのくぼみをつくり種を1粒まきます。
そして1cmほど土をかぶせ軽く手で押さえつけ、水を十分にかけてやります。
寒い時期はビニール温室や不繊布をかけるなど、なるべく暖かい場所(20℃~28℃適温)で育成していきます。
そのまま本葉4枚ほどの苗に育てていきます。
育苗ポイント
・温室・ビニール保温は日中換気し高温を防ぐ
・表土が乾いたら朝に水やりする(夕は徒長するので×)
・寒さに弱いので夜の保温はしっかり
注意ポイント
・ナメクジやウリハ虫に食害されやすいので、防虫ネット、ナメクジ駆除剤で対策
土づくり【耕し方と肥料のやり方】
まず苦土石灰を100g/㎡まき、しっかりと耕します。
高さ20cm、幅60cmの畝をつくり、堆肥・元肥を全面にばらまきクワで混ぜこんでください。
畝1㎡あたり施肥量
バーク堆肥(or腐葉土)を3~5kg
化成肥料888150g(3握り)
ようりん100g(2握り)
土づくりポイント
・植え付けの一週間前に終わらせておく
マルチングで病気防止
ズッキーニは株と地面が接触しやすく、病気感染しやすい野菜。
マルチを張ってバリアしてやりましょう。
土壌中の乾燥防止、ひいては雨による泥はねを防止し病気の予防になります。
苗の植え付け方
苗は本葉4枚ほど、株の節間ががつまり葉色の良いものを選びます。
ズッキーニはかなり大きく葉が広がるため、必ず60cm以上の株間をとって植え付けます。
土をポット大まで堀り、水があふれるくらい注ぎこきます。
ポット苗にも水をたっぷりやった後、植穴に入れて、株元を持ちながら土を戻して軽く押さえます。
最後にたっぷりと水やりをして完了。
ポイント
・一週間は水やりを控え根付かせる
・植え付け初期はホットキャップで保温しよう
支柱立て・誘引は「立体栽培」で
ズッキーニはつるは伸ばしませんが、茎が少しづつ垂れてきます。
茎葉が地面に接することで土壌病害にかかりやすくなってしまうので「立体栽培」で防ぎ、多収を狙いましょう。
収穫できるころ、主枝が伸びてくるので20cmほど株から離して180cmの支柱を苗の横にしっかり刺します。
茎葉二つを支柱にはさみ、傷まないようヒモでゆるく誘引し、茎を垂直に立たせます。
二週間を目安に茎が垂れないよう、同様に誘引していきましょう。
ズボラ栽培
もし誘引が面倒だという方は、そのまま寝かしたまま栽培してみましょう。
支柱を両脇から交差させて茎葉にかましておくと風が吹いても折れる心配がなくGood
整枝し弱った葉っぱをとる
植え付けして2週間ほど経ったら活着し、子葉付近からわき芽が出てきます。栄養が分散されてしまうため、10cm程の茎葉になったら早めに摘み取りましょう。それ以降、また脇芽が出てきても放置して構いません。
雌花が付き始めたら、三番花までは蕾段階で摘み取った方がその後の生育が良くなります。
生長に伴って下葉が弱ってくるので、摘葉しましょう。切った葉柄から雨水が入ると腐るため、根本から切り取ってください。主枝を寝かせている場合(ズボラ栽培)は支えのため葉柄を上に向けない程度に残します。
多く摘み取りすぎると弱る原因になるので、うどんこ病や明らかに弱り始めた葉のみにしておきます。
水やりの頻度
ズッキーニは根が浅いので、多湿では根腐れしやすく、乾燥でも傷みやすいです。
梅雨明けまではさほど水やりは気にする必要はないでしょう。
ただし梅雨明け以降、晴天が続くなら一週間に1、2回気温の下がる夕方にたっぷり潅水してあげてください。
人口授粉は必要
ズッキーニは雌花と雄花に分かれています。
受粉はせずとも実がなると書いてある本もありますが、嘘です。
人口受粉しないと実つきが格段悪くなるので、してやりましょう。
雄花の花びらをとって花粉を雌花の柱頭にこすりつけます。
午後にはしぼむので、午前中にすませましょう。
追肥方法
植えつけ時から、2~3週間おきに追肥してください。
一回目は株元にひとつまみ(5g)化成肥料888をやります。
二回目以降は株の様子を観ながらマルチを剥いで畝肩に一つかみほど888を追肥してください。
収穫時期と仕方
開花から5日ほど経ち、20cm前後になったら午前中のうちに収穫しましょう。
丸系は15cm前後が適期。
一日取り遅れただけでかなり大きくなりますので、少々小さくても穫るようにします。
ヘタの部分をハサミで切り取ってください。
メモ
開花直前の小さい花つきの幼果も穫って食べれます。軽くゆでて食べたり、花びらの中に詰め物をした料理が有名。
失敗を防ぐ生育診断
雄花ばかりで雌花が咲かない
先に雄花がいくつか先、雌花は遅れて咲いてくることの方が多いようです。
逆に雄花がないケースも出てきます。なので数株植えて、それぞれ微妙に時期をずらすと両方咲いてうまくいきやすいようです。
あとは窒素肥料のやりすぎで樹勢が強くなりすぎて雌花がつかないことが多いです。
実が大きくならない・腐る
要因はさまざまですが、まず第一に授粉しなかった雌花の実は腐り落ちます。
あとはズッキーニは高温にも強くないため、真夏では各段に授粉する能力が下がってしまいます。
その他、多湿、樹勢の衰えなどの要因で授粉しないor肥大途中で腐るなど。
なりやすい病気
ウイルス病
うどんこ病
軟腐病
つきやすい害虫
アブラムシ類
アザミウマ類
ウリハムシ
コンパニオンプランツ(混植)
ネギを混植すると病原菌からの感染予防に効果があります。