もぐみん(@agrimichi)です。
僕は毎年、野菜を種から育苗し栽培しています。
育苗における最初の難関といえば、やっぱり種の発芽。
簡単なようで、野菜ごとに合った種まきの仕方をしなければ上手くいきません。
気温、水分、覆土(土をかける)の条件がそろってはじめて、発芽します。
かくいう僕自身も、何度か失敗しながら育苗してきました。
そんななか、夏野菜の発芽で特に感じたことがあります。
ゴーヤ種の発芽が、むちゃくちゃ遅い。
他の果菜類とくらべても、一番遅かったのを覚えています。
なぜゴーヤはこんなにも発芽が遅いのでしょうか。
・発芽適温が25℃~と他の果菜類よりも5℃高い
・種の殻が厚く硬いことで、給水しにくい&殻をつきやぶりにくい
などが主な要因でしょう。
一般的には、硬実種子(皮が硬く水を通さない状態の種子)は一昼夜水につける、種に傷をつけるなどの対策をします。
しかし、しかしですよ。
その発芽を促す対策、本当にそこまで効果があるのでしょうか?
例えば豆類のエンドウやそら豆も発芽が遅いですが、水に漬けてふやかすと格段に腐りやすくなり、かえって発芽率を下げてしまう場合があります。
では、ゴーヤの種はどうでしょう?
皮が硬く水を通しにくいだろうことは、観ただけでわかります。
これだけ皮が厚いと、一日水をつけたくらいじゃさほど効果もないんじゃ‥? なんて想像しちゃいますよね。
傷をつける方法がやはり効果が高いのかなとも思ったり。
ということで前置きはこのくらいにして
さまざまな種まき方法でゴーヤの発芽比較をしてみることにしました!
実験方法
https://twitter.com/agurimiti/statuses/1151257430249971713
①水に一昼夜つける、②傷(穴)をつけ一昼夜水につける、③通常、④殻を全て取り去るに分けて種まきしました。
種の殻はハサミや爪で傷をつければ、ぱきっとパラパラとれて中身が出てきます。
均等に覆土し、たっぷりと同じ量の水をやりました。
結果
ゴーヤ発芽比較実験、結果発表です
発芽が一番早かったのは、殻なしの種でした!
しかも三粒全部出てます!
続いて水に一日つけて傷をつけた種が出てきました。
そしてそのまま植えたもの(通常)も出てきたぞ‥?
水に一日つけただけのものはまだ出てませんね#家庭菜園#ゴーヤ pic.twitter.com/BE0qcEeoHz
— もぐみん@家庭菜園研究家 (@agrimichi) 2019年7月25日
殻なしが一番早く発芽する結果となりました。
写真は種まきから一週間後の状態。
7月中旬なのでバリバリ気温条件(発芽地温25~30℃)はクリアしています。
考察&まとめ
はい。
とてもシンプルな実験で、シンプルな結果が出ましたね。
なんというか、よくよく考えれば「そりゃ当たり前だろ」という結果だと、皆さんも思われたのではないでしょうか。
ゴーヤにいたってはある程度サイズもあり殻と中身が分離しているので、邪魔になる殻をとってしまえばいち早く発芽してくれるというわけです。
じゃあこの殻ってなんの役割もなくて、邪魔なだけな存在なの? っていうともちろんそうではなくて。
本来は外部からの衝撃(風雨など)を守り、最適な環境条件で発芽させるために殻があるのでしょう。
ただし発芽する時にはその殻に水がしみ込み発芽し、突き破って出てくるのに時間を要す ということ。
ちなみにこの殻をあらかじめ取り除くという方法、種のみならず、にんにくの皮を向く、干しネギの皮を向いて植えることで初期生長を早める方法も有名です。
他の発芽しにくいゴボウ、ニンジン、春菊などは種が小さいので厳しいですが、もしゴーヤを早く発芽させたい場合は、今回の殻取り方法を試してみてはいかが?
それではっ。