家庭菜園研究家のもぐみん(@agrimichi)です。
家庭菜園初心者向けに、モロヘイヤの栽培・育て方の基本をまとめました。
一般的な知識だけでなく、自身の経験から得たノウハウを盛り込んでいるため、初めての方も安心してモロヘイヤを育てることが出来る内容になっています。
モロヘイヤとは
モロヘイヤは刻むと独特の粘りが出る夏の葉物野菜。
もともとエジプトでは「王様の野菜」と言われるほど栄養満点、かのクレオパトラも好んで食したと言われています。
特にB-カロテンをほうれん草の4倍近く、なんとカルシウムは9倍近くもあります。
その他ビタミンや食物繊維も豊富で、まさに夏のスーパー野菜と言っても過言ではありません。
食味も癖がなく、塩茹でにして刻んで食べるも良し、スープ、お浸しにもあいます。
特に葉物が不足しやすい夏場に旺盛になるため、とても便利。
栽培するのも丈夫で簡単なため、ぜひプランターからでも家庭菜園で挑戦してほしいところ。
モロヘイヤ栽培の特徴
科目 | 発芽適温 | 生育適温 | 連作障害 |
アオイ科 | 25~30℃ | 25~30℃ | 少な目(1年程あける) |
日当たり | 株間 | 収穫まで | pH(土壌酸度) |
日なた | 約30㎝ | 2ヶ月半~3ヶ月 | 6.0~6.5 |
モロヘイヤの原産地は熱帯アフリカ、熱帯アジアで、高温多湿を好む野菜。
葉物類を栽培しづらい真夏にぐんぐん生長し、丈夫なので初心者におススメ。
市販苗から育てればわずか一ヶ月程で収穫出来ます。
暑さにはきわめて強いですが、寒さにはめっぽう弱め。
秋には衰え、日が短くなると花が咲き葉が堅くなってしまいます。
土壌も選びませんが、長期栽培になるのでしっかりと堆肥を施してやりましょう。
栽培ポイント
・十分暖かくなってから栽培する
・多湿を好むため敷き藁をしてやる
モロヘイヤの品種について
モロヘイヤは品種の分化がみられず、品種改良もされていないので一種類のみが販売されています。
モロヘイヤ
モロヘイヤの栽培時期
モロヘイヤの地域ごとの栽培スケジュールになります。モロヘイヤは寒さに弱いので、5月初旬まではしっかり保温育苗してやりましょう。
土づくり【耕し方・肥料のやり方】
まず種まきの約一週間前に、粒状苦土石灰を100g/㎡(1㎡おおよそ二握り)まき、しっかりと耕します。
この時、耕しついでに高さ20cm、幅90cm程の畝を作っておきましょう。
そして種まき当日、堆肥・元肥を全面にばらまき畝が崩れない程度にクワで軽く混ぜこみ、平グワorレーキで表土をフラットにします。
土づくりポイント
・苦土石灰散布は、植え付けの一週間前に終わらせておく
・植物性堆肥&化成肥料なら、即日種まきOK
種まき・育苗【発芽率UPの深さは?】
モロヘイヤは直まきも出来ますが、ポット蒔きの方が育てやすいです。
種は皮がかたく発芽しにくいので、前日にぬるま湯につけて吸水させると発芽率がup。
ちなみに初期生育は緩やかなので、春から育苗すると植え付けまで1ヶ月半程はかかります。
培養土を入れた3号ポリ鉢へ事前に水をかけた後、種を三粒まきます。
そして土を軽く(5mm以下)被せて軽く手で押さえつけ、水を十分にかけてやります。
ただでさえ初期生育が緩やかななので、ビニール温室や不繊布をかけるなど、なるべく暖かい場所(25℃~30℃適温)で生育していきましょう。
本葉が一枚出るころに二本をまびいて一本仕立てに。
そのまま本葉7~8枚ほどの苗に育てていきます。
ポイント
・発芽に光がいるため、覆土はごく薄く
・育表土が乾いたら朝水やりする(夕方は徒長する)
苗の植え付け
本葉7~8枚の葉色の濃い苗を用意します。
育苗は初期生育が遅く時間がかかるので、初心者は苗を購入するのをおススメ。
モロヘイヤは寒さに弱いので、5月に入り最低気温18度以上になってから植え付けてください。
株間、条間を30cmあけてポット大の植穴をあけます。
スコップでポット大の植穴をあけ、水を注ぎこみます。
ポット苗にも十分に水やりした後、植穴に植え付けていってください。
軽く土をかけ手で押さえつけ、最後に畝全体にたっぷり水やりをして完了。
敷き藁と水やり
モロヘイヤは砂漠のようなところでも栽培され、乾燥してもまず枯れることはありません。
ただ水が足りないと葉がかたくなり、食味を悪くしてしまいます。
土が乾燥しないよう、植え付け時から敷き藁をしましょう。
ビニールマルチをしてやるとさらに乾燥を防ぐことが出来ます。
水やりは表土が乾燥したら涼しくなる夕方か早朝にたっぷりやるようにすれば、柔らかい新芽を収穫出来ます。
追肥の仕方
モロヘイヤは肥料切れしやすいので、こまめな追肥が向いています。
植え付けから一か月後、30g/㎡(軽く一握り)の化成肥料888を追肥します。
根から少し離れた株間にまき、土に混ぜ込んで(中耕)やりましょう。
その後一か月おきに同量追肥し、畝肩あたりで中耕してやってください。
ポイント
・肥やけしやすいので根から離れた場所にまく
適心の仕方
草丈30~40㎝になったら、本枝を摘心収穫しましょう。
そうすることでしっかりと脇芽が出てきます。
切る長さは丈の半分くらいで、4~5節くらい残っていれば問題ありません。
モロヘイヤ
ちょっとわかりにくいですが
左が摘心あり、右が摘心なしです。
明らかに脇芽が増えているのがわかりますね
風でも倒れにくいし、やっぱり30cmくらいになったら本枝摘心が吉ですな#家庭菜園#モロヘイヤ pic.twitter.com/eV7FKXyjn6
— もぐみん@家庭菜園研究家 (@agrimichi) July 21, 2019
収穫方法
草丈が50cm程になったらどんどん収穫していきましょう。
脇芽がどんどん出てくるので、背が高くなりすぎないよう若くやわらかいうちにどんどん穫っていってください。
花芽がついた場合、葉がかたくなる原因になるので、出来るだけ摘み取って捨てるようにしてください。
いずれにせよ秋ごろになると大量に花芽がつくので、そうなったら撤収の頃合いです。
注意ポイント サヤと種は強い毒性があるので絶対に食べないようにする。花・茎も食べてはいけません。
メモ
モロヘイヤは挿し木が出来ます。
収穫した後の茎orスーパーで購入した葉を摘み取った茎からでも再生できるので、ぜひ試してみましょう。
プランター栽培
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失敗を防ぐ生育診断
早くから花が咲く
育苗段階や、買ったばかりの苗で花を咲かしはじめることがあります。
モロヘイヤは低温を感じたり日が短くなると、大きさに関わらず花をつかせて葉が堅くなりすぐ生長が止まります。
よって早まきではしっかり日に当てて、保温する必要があります。
本来は平均気温が20℃以上、15時間以上日が出ている環境で育苗が適しています。
大きくならない
モロヘイヤは元々初期生長が格段に遅い野菜です。
それに加え高温下で旺盛に生長しますから、20℃以下の気温では、植え付けるまで大きくになるにはより遅くなるというわけです。
後は花芽がついてしまうと生長が止まります。
茎が赤くなる
モロヘイヤはある程度生長すると茎が木のようにかたく、赤くなってきます。
肥料が足らないとか、不足分があるわけではなく、通常状態なので心配いりません。