もぐみん(@agrimichi)です。
家庭菜園初心者向けに、チンゲンサイの栽培・育て方の基本をまとめました。
一般的な知識だけでなく、自身の経験から得たノウハウを盛り込んでいるため、初めての方も安心してチンゲンサイを育てることが出来る内容になっています。
チンゲンサイとは
チンゲンサイはアブラナ科に属す葉物野菜。
昭和40年代から中国から入り、現在では日本の食卓に欠かせない中国野菜となっています。
しゃもじ状の葉に株元の丸みあるフォルムが特徴。
食味は癖がなくシャキシャキとした瑞々しさから、中華料理のみならず、日本のさまざまな料理に使われています。
そしてカルシウムやカロテン、ビタミンCも豊富で栄養価が高いです。
栽培も簡単なので、ぜひ家庭菜園でつくってみたいところ。
チンゲンサイ栽培の特徴
科目 | 発芽適温 | 生育適温 | 連作障害 |
アブラナ科 | 15~20℃ | 15~25℃ | 少な目(1年程あける) |
日当たり | 株間 | 収穫まで | pH(土壌酸度) |
日なた | 最終約15cm(ミニ10cm) | 最短1か月半 | 6.0~6.5 |
チンゲンサイの原産地は中国で、涼しい気候を好む野菜。
寒さに強いのはもちろん(-3℃まで)、夏の暑さにも比較的耐える(35℃まで)ので春〜秋にかけて栽培できます。
種まきから一か月半あれば収穫でき、簡単に育てれることから初心者にもおススメ。
土壌も特に選びませんが、根が細く浅いので堆肥をたっぷり入れて肥料もちと水もちupさせると良く育ちます。
温かい時期は虫に食べられやすいので、防虫ネットを張る対策がいるでしょう。
栽培ポイント
・旬は春&秋まき栽培
・虫害対策しよう
チンゲンサイの品種について
チンゲンサイは一年中栽培できるように季節に適した品種がつくられています。
ここでは代表的な品種を紹介しておきます。
青帝
代表的な品種で早生、トウ立ちが遅く周年栽培出来ます。
シャオパオ(ミニチンゲンサイ)
通常よりも小さい品種。周年栽培できます。
パクチョイ(白梗菜)
茎がしっかりとした純白色なのが特徴品種。周年栽培出来、癖がなく食べやすいです。
チンゲンサイの栽培時期
チンゲンサイの地域ごとの栽培スケジュールになります。
あくまでも一般的な目安なため、種袋裏の栽培時期を確認して種まきするようにしましょう。
暑さ、寒さともに比較的強いため、春~秋にかけて種まき出来ます。
ただ旬はやはり春まき、秋まき栽培になるでしょう。
土づくり【耕し方と肥料のやり方】
まず種まきの約一週間前に、粒状苦土石灰を100g/㎡(1㎡おおよそ二握り)まき、しっかりと耕します。
この時、耕しついでに高さ20cm、幅90cm程の畝を作っておきましょう。
そして種まき当日、堆肥・元肥を全面にばらまき畝が崩れない程度にクワで軽く混ぜこみ、平グワorレーキで表土をフラットにします。
土づくりポイント
・苦土石灰散布は、植え付けの一週間前に終わらせておく
・植物性堆肥&化成肥料なら、即日種まきOK
種まき・育苗
チンゲンサイの種は畑に直まきします。
間引き菜をたくさん食べたい場合は筋蒔き、極力減らしたい場合は点まきをおススメ。
筋まき
まず畝の条間を15cm(ミニ10cm)ほどとり、支柱などで深さ1cmの蒔き溝をつけて下さい。
約1cm間隔を目安に、筋まきしていってください。
均等にかぶさるよう注意しながら5mmほど土をかけ、手でしっかりと押さえます。
最後にたっぷりシャワーで優しく水をかけて完了。
点まき
株間、条間ともに15cmあけ、一か所に3~4粒点蒔きします。
空き缶などを使って1cm程の溝をつくり、均等に蒔いた後、5mmほど覆土し手で押さえましょう。
最後に水をまいて完了。
メモ
育苗したものを植え替えすれば間引きがいらず効率良いです。1ポットに5粒程離しまくか、セルトレイ育苗して本葉3~4枚のものを植え付けていきましょう。
ポイント
・発芽するまでは表土が乾かないよう水やりする
マルチングについて
マルチングをすれば雑草を取る手間が省けるだけでなく、肥料持ち、水持ちともに良くなり生長がぐんと良くなります。
とはいっても、小規模畝なら間引きながら除草もすぐでき、随時追肥もしやすいのでむしろマルチなしの方が作業しやすくおススメ。
大規模に栽培する場合などで、育苗したものを植え付ける場合はマルチが便利でしょう。
中間地、特に暖地では秋まきの場合でも、熱害を防ぐため白黒マルチを使用します。
真冬に種まきや植え付けをする場合は黒マルチで構いません。
間引きと中耕
チンゲンサイの株間は最終的に15~20cm程必要になります。
筋まきした場合、随時込み合ってきたら間引いていってください。
一般的な間引き時です。
間引き時期 | 間隔 |
本葉が出始め | 約2~3cm |
本葉2~3枚 | 約5~6cm |
本葉4~5枚(草丈10cm程) | 約15cm |
点まきの場合、本葉4~5枚までに2回ほど弱い苗を間引いて1本仕立てにします。
ちなみに完璧な形を期待しないならば、ぶっちゃけそんなにキッチリ間引く必要はありません。
実際は1cm筋蒔きで草丈10~15cmほどまでは一切間引かずともぐんぐん生長します(徒長、病害虫リスクが上がる、それ以上置くと葉が縮れるなどはある)
よって最悪、1~2週間おきにしか畑を確認できない方でも、行った時に込み合った箇所を間引く感覚でOK。
なるべく大きなものを間引くことで、小さな苗が大きくなってお得です。
間引いた後は一時的に弱ることがありますが、また復活するので心配いりません。
追肥と水やりの仕方。
チンゲンサイは生長が早いため、基本的に追肥はいりません。
葉色が薄くなった時のみ追肥する間隔で良いでしょう。
大体種まきから一ヶ月を目安に、間引きや収穫後のタイミングでやると良いでしょう。
水やりは、発芽するまで表土が乾く前にしっかりやりましょう。
それ以降は基本的に降雨まかせで十分育ちます。
ただチンゲンサイはつねに少し湿っている土で良く育つため、早く育てたい場合や、高温期で乾燥が続く際は気を付けてこまめに水やりするのも良いでしょう。
防虫ネット・不織布の利用
チンゲンサイは害虫がつきやすいです。
昔は通常の秋まきの場合、さほど害虫被害はなく、ネットも必須ではありませんでした。
しかし温暖化と気候にムラがある現在は、秋まきでも大量の食害に合うケースが多いです。
特に生育初期はナノクロムシやアオムシ被害に合いやすいので、防虫ネットをすることをおススメします。
生育を早めたい場合は、不織布をトンネル使用するのも害虫も防げて一石二鳥。
春~夏まきの場合は防虫と遮光効果両方ある寒冷紗を使うのをおススメします。
収穫
草丈が20cm程(ミニ10~15cm)になったら収穫しましょう。
夏まきは一ヶ月、春・秋まきは二か月ほど、冬まきは二か月半かかります。
株元を持って根ごと抜き取り、ハサミで根だけ切り取ってください。
大きくなりすぎると固く筋っぽくなるので、遅れず収穫をします。
花が咲く(とう立ち)場合は
チンゲンサイは種まき時から低温を感じると、とう立ちして花が付きやすくなります。
主に春まきでは、平均気温が15℃以上になって種まきするととう立ちを防ぎやすいでしょう。
品種もとう立ちが遅い(晩抽性)ものを選ぶとなお良いです。
ただとう立ちする前に食べてしまえば問題ないですし、花芽がついて伸びても先は柔らかくて美味しく食べれますよ。