もぐみん(@agrimichi)です。
家庭菜園初心者向けに、そら豆の栽培・育て方の基本をまとめました。
一般的な知識だけでなく、自身の経験から得たノウハウを盛り込んでいるため、初めての方も安心してそら豆を育てることが出来る内容になっています。
そら豆とは
そら豆は、豆類の中でも特に大粒で初夏を代表する味覚の野菜です。
大きなサヤから中身を出して食べるのが一般的。
さやが空に向いているので「空豆」、繭(まゆ)に似ていることから蚕豆(そらまめ)とも呼ばれます。
調理はなんといっても、シンプルに塩茹でにしておつまみとして食べるのが絶品。
ほくほく、ぷりっとした食感にくわえ程よい甘味があり、一度口に入れると手が止まらなくなってしまいます。
その他かき揚げや、すり潰して和え物やお菓子などの料理も出来ます。
栄養は高たんぱくでビタミンB群も多く健康に良いのも嬉しいところ。
収穫してから数日ですぐに味覚が落ちてしまうので、穫れたその日に食べれる家庭菜園こそうってつけの豆と言えるでしょう。
そら豆栽培の特徴
科目 | 発芽適温 | 生育適温 | 連作障害 |
マメ科 | 20℃前後 | 15~20℃ | あり(3年程あける) |
日当たり | 株間 | 収穫まで | pH(土壌酸度) |
日なた | 密植30cm | 8か月半程 | 6.5~7.0 |
そら豆の原産地は西南アジアから北アフリカで、冷涼な気候を好む野菜。
種まきから収穫まで約8カ月かかり、豆類では一番の長期栽培にあたります。
夏の暑さに弱く、25℃以上では生育が著しく衰えがち。
逆に寒さには強く、幼苗期(本葉5枚)は氷点下や霜害にも耐える強さを持っています。
そして冬の低温に合うと花芽をつける性質があるため、秋まき春穫り栽培が基本。
苗を大きくしすぎると途端に寒さに弱くなる性質があるため、植えつけ適期を守ることが栽培の肝になるでしょう。
ポイント
・窒素肥料をやりすぎない
・種まき・植え付け時期を守ろう
そら豆の品種について
そら豆はさまざまな品種がありますが、家庭菜園では大粒種が育てやすいのでおススメ。
一寸そら豆
豆が大きく丈夫で、栽培が容易です。
駒栄
花芽を付けるのに低温がいらないので、春まきが可能な品種。
そら豆の栽培時期
そら豆の栽培時期です。
あくまでも目安なので、詳細は種袋の裏をみて確認してください。
秋まき初夏穫りが基本で一般的。
ただし品種を選べば、暖地は夏まき秋穫り、寒冷地では春まき夏穫りも可能です。
種まきと育苗
そら豆は直まき、ポットまき両方出来ます。
豆科は直根で移植の際に根痛みが起きやすいため、直まきが原則という考え方があります。
しかし鳥害対策がいること、発芽には腐らないための水分コントロールが必要なことから俄然ポットorセルトレイまきがおススメ。
種まきポイント
・初めの水やり以降、日陰に置いて発芽まで水やりは極力しない(腐り防止)
・発芽してからは徒長を防ぐため表土が乾いたらあ朝だけ水やりし日光に十分当てる
ポットまき
培養土を入れた3号ポリ鉢へ事前にたっぷりと水をまき、種を1粒置きます。
直播きの場合と同様に、おはぐろが斜め下になり頭部が見えるくらい押し込んでください。
そのまま乾燥しないよう新聞紙をかぶせるなどして20度前後の日陰においておきます。
途中表土が乾燥するようなら水やりしてください。
うまくいけばだいたい1週間程度で発芽します。
そのまま本葉2~3枚(3週間程)まで育ててください。
セルトレイまき
大量に植える場合は、セルトレイまきがオススメ。
ソラマメは種が大きいので72穴か50穴が良いです(上画像は50穴)
直まき
株間、条間ともに30cmあけ、種を一つずつ置いていきます。
写真のように千鳥まき(交互に1粒ずつ)で置くと追肥や土寄せがしやすいでしょう。
種のおはぐろ(黒い部分)を斜め下に向けて土に押し込み、種頭部がちょっと見えるくらいにしてください。
たっぷりと水やりしてください。
最後に鳥害対策として、不線布orネットを上からゆるく被せておきます。
本葉2~3枚になれば外して構いません。
植え付け
本葉2~3枚になったら畑に植え付けていきましょう。
株間、条間ともに30cmあけます。
晴天の午前中を選び、マルチ穴にポット大の穴をあけ、あふれるくらい水を入れます。
ポット苗にも十分に水をかけ、崩さないように植穴に入れ、軽く土をかけ押さえてください。
最後に十分に水をやり完了。
セルトレイの場合もポットと基本的に植え付け方は同じ。
※写真のセルトレイ苗は日照り不足と室内の高音で徒長してしまっています。
土づくり【耕し方と肥料について】
まず種まきの約一週間前に、粒状苦土石灰を200g/㎡(1㎡おおよそ4握り)まき、しっかりと耕します。
この時、耕しついでに高さ20cm、幅90cm程の畝を作っておきましょう。
そして種まき当日、堆肥・元肥を全面にばらまき畝が崩れない程度にクワで軽く混ぜこみ、平グワorレーキで表土をフラットにします。
土づくりポイント
・苦土石灰散布は、植え付けの一週間前に終わらせておく
・酸性を嫌うため十分苦土石灰を施す
・植物性堆肥&化成肥料なら、即日種まきOK
マルチング
栽培が長期間になるため、雑草の手間を省くためにもマルチ利用をおススメします。
地温が保たれ、水分も保持してくれるので生育が良くなる効果もあります。
そら豆はアブラムシ被害にあいやすく、ウイルス感染が致命傷になるためシルバーマルチにすることを強くお勧めします。
防寒対策について
そら豆は幼苗期(本葉5枚程度)は寒さに強く-5℃にまで耐えます。
よって関東以南の平野部なら防寒は必須ではありません。
山間部や極寒地は霜が降りだす頃に株元に藁を引き、トンネルで不線布をかぶせて対策をしましょう。
水やりの仕方
そら豆は秋に植え付けてから来年の春先になるまで、水やりは基本的にいりません。
春になる前に過剰に水やりし育てすぎると(本葉5枚以上)寒さに弱くなって霜害に合いやすくなってしまいます。
春先に生長をはじめる頃、表土が乾燥したらたっぷりと水やりするようにしてください。
特に花芽が付き始めたら、表土が乾燥する前にしっかり水やりすることでぷりぷりの実が入ります。
主枝は脇芽が出だしたら摘心する
春先になると生長が始まります。
最近は温暖化の影響もあり、地域によっては冬の間でもぐんぐん生長する場合もあるでしょう。
本葉が5~6枚になり脇芽が出始めたタイミングで、主枝(真ん中の一番太い枝)の根元から5節目を摘心してください。
そら豆は主枝にはあまり実をつけず、脇芽にたくさん着果させる性質を持っています。
なので主枝を取り除くことでわき芽が旺盛に育ち、結果的に収量が増えます。
わき芽の整枝
草丈が30~40㎝以上まで生長するとわき芽が出揃い10~15本になります。
花芽が付く前に細いものを根元から摘み取って6~8本の枝にしましょう。
枝の数を少なくすることで、大きくつまった豆が出来るようになります。
その後も生長とともにまたわき芽が出てくるので、気付いたら早めにかきとるようにしてください。
支柱立てor土寄せで倒伏防止
そら豆は風や株自体の重みで倒伏しやすいです。
草丈が30~40cm以上の整枝時に土寄せと支柱立てをしましょう。
表土を軽く混ぜ合わせ、株元にしっかりと土寄せしていってください。
その後も追肥のタイミングで土寄せをします。
そして4隅に支柱を立て、紐(シルバーテープが最適)でこれから高くなる1.5m付近まで囲っておきましょう。
追肥のタイミング
花が咲き始めたタイミングで、畝肩に化成肥料888を30g/㎡追肥してください。
根を傷めない程度に表土と混ぜ合わせ(中耕)、この時も先に株元へしっかり土寄せしておきましょう。
次に約2~3週間後、サヤがつき肥大が始まるころに再度、土寄せ&同量追肥します。
サヤがつき始めたら摘芯
最初のサヤがつき肥大するころ(草丈70~80cm)になったら、枝の頂点を10㎝ほど摘芯します。
摘芯で伸びすぎによる倒伏を防止、枝先につきやすいアブラムシ対策が期待できます。
先端は残して花芽がついたとしても、どうせ食べれるほどの実はならないので摘心して問題ありません。
摘果
そら豆は一枝あたり10サヤ、各節に2個ついた状態が理想です。
1節に3個サヤが出来ているところは、摘果して1節2個(大きなものが欲しい時は1個)にしていきましょう。
収穫
開花後から30~40日で収穫になります。
サヤが空を向いていたのが、下に垂れるのも合図。
他に、サヤに光沢が出来、背筋が黒くなる、豆のおはぐろが黒くなれば適期です。
プランター栽培
coming soon…